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卒業生インタビュー(萩本雪季さん)

隠岐島前高校の卒業生の萩本雪季さんにインタビューをしました(インタビューは萩本さんの教育実習中に行いました)。担当は、コーディネーターインターンの渡邉葉奈です。

萩本雪季(はぎもとゆき)2020年度卒業生/大阪府出身大阪体育大学 体育学部 4年(取材時現在)保健体育の教育実習生として島前高校に戻ってきてくれました

島前に帰ってきてどうですか?
 大学生活は少し窮屈に感じているのもあって、ここは心が落ち着きます。大学では人間関係が比較的あっさりしているから、会話も軽い内容ばかりで。でも島前高校では、不思議と深い会話ができるんです。生徒も先生もコーディネーターも、たとえ初めてあった人だとしても、「対話」ができる。仲良くなれる、深い会話です。実習期間は毎日楽しく生活しています。

自分は自分だ、ということを出せるようになった
 島前高校入学時の自分は、消極的で静かだったんです。今からは想像できませんが(笑)3年を経て、人の目を気にせずにひとりで行動したり、積極的にいろんなことができるようになりました。変われた大きな理由は、島前高校に自分を表現できる雰囲気があったことです。偏見があまりなかったし、あったとしても出さない。話を聞いて、知ろうとしてくれる。だから自分も、自ら伝えたいと思うようになる。そういうコミュニケーションがあったから、自己開示ができました。

授業をする萩本さん

やってみないと分からない。やってみたからできたこと。これって島前で得た力。
 就活をはじめたとき、ひとつ大きな壁がありました。それはスーツでした。メンズスーツを着ていきたいけど受け入れてもらえるのか、自己PRにLGBTQであることを書くのか。たくさん悩んだ末に、メンズスーツを着て面接に行きました。そして、”LGBTQであることは自分の強みである”と言えたんです。その時の面接官の反応は想像よりも普通で、”自分にはとても勇気のいることだったけど、実はまわりの人はあんまり気にしていないのかも”、と気付きました。
それは、踏み込んだから気付けたこと。やってみないと分からない、やってみたからできたこと。これって島前で得た力だなと思います。踏み込めるのは、島前高校での自分があるからです。

教えることの楽しさに気付いた
 高校時代はレスリング部でした。恩師である龍馬先生を始め、たくさんの大人に支えてもらい、今もレスリングを続けています。また、大学では身体のことや運動のことを学びつつ、ジムでバイトをしています。トレーニングを教えたり、それぞれの目標に向けて頑張る人に伴走したり。その楽しさに気付きました。教育という仕事も良いなと思います。

中村先生(左)にアドバイスをもらう萩本さん。 2人は島前高校時代レスリング部として共に闘った仲間でもあります

島前高校生へメッセージ
 島前で過ごす意味というのは、今はまだ分からないと思う。卒業して振り返ってみると、楽しいことも嫌なことも大変なことも、全部ひっくるめて本当に素敵だった。島前高校での3年間がまるっと自分の魅力になる、そんな感覚。だから今は全力で3年間を楽しんで欲しい!この限られた時間を存分に満喫してほしい。