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「はじまりの会」を開催しました!(後編)

2024年9月29日(日)第4期隠岐島前教育魅力化構想「はじまりの会」を海士小学校体育館で開催しました。

三町村からたくさんの方にご参加いただきました

▶はじまりの会の概要についてはこちらから。

▶「はじまりの会」前半の様子はこちらから。

さて、おやつタイムで気持ちがほっこりしたところで後半スタートです。
後半は「冊子を使ってみる時間」。冒頭に海士中学校コーディネーターの浅井より、いまこれからをどんな時間にしたいかをお伝えします。

四期の構想は、みなさんの中の願いを見つけていく、育てていく、一緒にできる仲間を探して、いろいろな取り組みを増やしていく役割を担えたらと考えています。
みなさんの中にある願いに触れたりとか、おなじグループの願いに触れることでちょっとずつアイデアがでてくる、そんな5年間になるといいなと思っているので、その疑似体験ができるような時間をいまから過ごしていきたいなぁと思っています。

冊子を使ってみる時間のはじまり

まずは各自が『はじまりの書』を手に取って、ここが気になるな、これは自分がやってみたいことと似ているかも、え?こんなことできるの?など、ひっかかりを感じるポイントを見つけるひとりの時間をとりました。

はじまりの書をじっくり読む時間

表紙カバーを広げて裏返すと…なんと!グループワークで使えるシートになっているのです。自分の中から生まれた「願い」をワークシートに書き込みながら、『はじまりの書』に書かれたアイデアを読んでいきます。

カバーの裏面がワークシートになっています

再びグループで膝をつきあわせて、ワークシートを使いながら気になったところを共有します。当日共有されたたくさんの願いの一部をご紹介します。

教員の個性や得意を活かしたゼミや研究室があってもいい。それこそ、メタバースでの教育が出来るようになったとしたら、身近にいる教員に出来ることや強みは、個性だと思う。一緒に目の前のことを面白がって取り組む、地域で取り組むなど。教科書に書いてあることは、どの教員でも教えられる。高校時代、先生の好きや面白いをぶつける授業を聞いてみたかった。

島前三町村力を合わせれば、もっと強くなれるはず。島前の交流をもっと増やしたい。島前3島運動会の開催。島後との交流もしたい。

普段子どもや先生、学校と関わる機会がない。関わっていいのかがわからない。会社でやっていることと上手く繋がると面白いことができそう。

続いて、グループで共有した内容を全体にシェア。最初に発表した人が次の発表者を指名する数珠繋ぎスタイルです。

では若い人に発表を~とお願いしたら手がたくさんあがりました

グループには、いろいろな校種の先生がいたが、今の子どもたちは「やらされている学習」が多くて、これをやろうねと言ったら真面目に取り組むのだけど、自分で考えて何かをするのが苦手な子が多いという共通認識があった。大人の側がそういう経験をさせてなかったところが課題になるんじゃないか。
東京の視察で自由進度学習、複線型の授業を見させていただいて、やってみたいなという気持ちになっている。自分だけじゃなくて、まずは自分の小学校で広げること、それをどんどん皆さんで協力して島前でやっていけたらいいなと思っている。

小学校教員

再びグループに戻って、今日の「はじまりの会」という場、そして『はじまりの書』の感想を話します。

数名の方に全体に向けて今日の感想をお話していただきました。

自分が島前高校に入学したのは、魅力化構想がはじまった年でちょうど15年前。そこから比べるとすごく広がっているなぁと感じた。
その当時は、興味がある人、やらなきゃいけない人だけが集まってやっていた。それが、ちょっとでも関わりのある人とか、やってみたいと思う人、やらなきゃではなくて、自分の興味から入っていく人だったり、先生とか地域の人だけでなくて保護者として入っていく人、そういう多様性をすごく感じる時間でした。
グループでは、まとまった話はできなかったけど、その通りなんだろうなと思う。いろんな役割、いろんな立場、いろんな年齢で、それだけ願いの数がたくさんあってひとつにまとまらない。まとまらないのが当たり前で、ずっと話し続けていて、話がまとまらないまま終わる。それをずっと続けて、共有していく中で、ふと「あの人こういうことやりたいって言っていたよね」というところから、応援してくれる人、協力してくれるひと、一緒に走ってくれる人が出てきて、実現化していく。
15年前にはもっと願いがあったと思う。その中のいくつかが実現化したように、この中にあるものもきっと実現化していくんだろうと思う。
僕自身も含めて自分の願いとかやってみたいことを声に出して、仲間を集めて、一緒に実現していけたらいいなと思いました。

隠岐島前高校卒業生

今日会場に入ってきた時、入口から体育館見たときにめっちゃびっくりしました。「こんなに人がいるんだ」って。それと同時に感動しました。
これだけの大人が日曜日の貴重な時間を使って、自分たちの住む地域の教育のために、教育をよくするために話し合っている。
これは、学生にとってすごく感動すべきことで、島前高生にこの場をいま録画して見せたいって思いました。本当に感動しました。
みなさん、自分に拍手してあげてください。

隠岐島前高校生

いよいよ、会も終盤です。まずは、教育魅力化プロジェクトリーダーの宮野から「はじまりの会のおわりに」と題したお礼とごあいさつを。

移住して11年目 この島に居続ける仕事の魅力、地域の力

今日改めてこの場この時間を過ごして、校種や町村は、教育っていうテーマ、地域っていうテーマにおいて超えられるなと実感した時間でした。
ここにいる大人たちは日々忙しい人ばかりだと思うけど、毎日を一生懸命過ごす中で、どんな願いがあって、どんな未来を理想としてもちながら、目の前の子供に向き合っているのか、自分自身もこれから考えていきたいテーマだと思っています。
今日をはじまりの日として、これからもみなさんにお世話になりながら、
いろんな願いを共有して現実にすることを一緒にやっていきたい。

はじまりの会のおわりに

最後は海士町 井筒教育長の閉幕宣言です。

第四期構想は策定の段階からかなり多くの方の幅広い意見を伺いながら作られたものであるということの必然として、地域の子供たちのことであったり、小中学校に関わることであったり、そういった内容がこれまでの構想に比べてかなり多くなっている。そこにかなり期待感がもてる、ありがたいなぁと思っている。
いまは教育の転換期だとしきりにいわれる。おそらくそれは約半世紀ぶりくらいの教育の転換期になる。
子どもたちが身に着けていかなくてはならないのは、自主的で自律的な姿勢。それは、大人の姿、姿勢に行きつくんだろう。特に学校においてはこれからの教育の在り方、その本質にアプローチしていきたい、いかないといけない。教員一人ひとりが学び続けることを忘れない、その意義がこれから本当に大切になっていくんだなと思う。
第四期構想で描かれていることを島前三町村でしっかり実践していけるよう、みなさま協力、協働をよろしくお願いしたい。

海士町 井筒教育長

『第4期隠岐島前教育魅力化構想 はじまりの書』は手にとった人が自分事として島前地域の教育について考えることができる、それと同時に今までの道程や島前が大切にしてきたことが伝えられるような、そんな冊子です。

「はじまりの会」で皆さんが『はじまりの書』を手に取り、それを使いながらあれやこれやとまとまらない議論をすることで、はじめて第4期構想に血が通ったような、命が吹き込まれたような、そんな気持ちになりました。

日曜の午後に3時間!という長丁場でしたが、熱量と希望にあふれた時間でした。ご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました!