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魅力化通信「しましま」に込めた願い

こんにちは。島前ふるさと魅力化財団の総務スタッフ、中根です。
この記事では、隠岐島前教育魅力化通信「しましま」についてご紹介します。私自身は、「しましま」の創刊メンバーでもあり、現在は編集チームのリーダーをしています。

「しましま」とは

隠岐島前教育魅力化プロジェクトが発行する季刊誌。A3裏表のサイズで、「ひとの顔が見える誌面」をテーマに、隠岐島前高校の高校生や隠岐島前地域の教育にまつわる方のインタビューを中心に掲載しています。
2018年10月に創刊し、年に2〜3号のペースで発行。2023年10月時点で計14号を発行しています。

「しましま」が生まれたわけ

「しましま」を創刊した2018年は、ちょうど隠岐島前教育魅力化プロジェクトが10年目を迎えた時期でもありました。島留学の生徒の倍率は2倍を超え、地元島前地域からの入学率も目標としていた7割を達成。一見すると、もう危機は去り、「成功」を収めたとも取れる状態でした。

一方で、地域の方からはこんな声をよく耳にしたのです。

「島外生ばかり活躍して、島の子はないがしろにされているんじゃないか」「テレビで取り上げるのは島外生ばかり。島の高校じゃないのか」。このままでは、地元出身で生き生きと高校生活を送っている生徒の様子が地域に伝わらない。メディアでは取り上げられない日々の高校生の姿をいつも彼らを見ている私たちが発信する必要がある。それが今なのだと感じ、「魅力化通信(仮)」プロジェクトチームが動き始めました。

「しましま」が生まれるまで

地元の人に読んでもらうには、どうしたら良いのだろうか。
高齢の方が読みやすいよう、字は大きいほうがいい。
取り組みを並べるだけだと読む気にならないだろうから、話し手の顔がわかる写真を多く使ったほうがいい。
三町村のバランスを大切に、島前三町村の人が誰かしら知ってる人が出てくるような誌面にしたい。そんなアイデアが次々と出ました。

タイトルはどうするか。
チームでブレストしたたくさん出た候補の中から、チームで目に留まったのが「しましま」でした。なんとなく語呂が良くて覚えやすい。しかも、縞(しま)模様の語源は「島」が関連していると判明!この島の多様な生徒の個性が輝き、その輝きが無限に模様を生み出していけるような教育を目指していく。その片鱗を「しましま」という誌面を通じて伝えていく。そんな誌面を作れたらなんて素敵だろう。私たちのありたい姿と、「しましま」がぴったりとはまった瞬間でした。

誌面デザインは、ミナミデザインの南貴博さんにお力をお借りし、しましまの世界観をあらわす誌面を作っていただきました。表紙は懐かしさを感じる黒板の雰囲気とし、若い世代にも(スマホ世代にも)アナログ感覚も大事にして欲しいという願いを込めて。また、周りの縞々は、色の三元色のRGBと印刷インクのCMYKを縞々にレイアウトして、どんな色でも作れる多様性を「しましま」に込めています。

創刊号の表紙。黒板地と周りの縞模様が印象的なデザインです

また、作るプロセスから開いてみんなで一緒に作りたいと思い、クラウドファンディングを実施して創刊に伴う資金を集めました。その結果、134人(!)の方が寄付を寄せてくれました。自分たちの何気ないアイデアに、多くの方が期待と応援を寄せてくれるということに感動しつつも、よい誌面を作り続ける責任も感じて背筋が伸びたことを覚えています。

チームの誰も編集経験など無い中で、企画と各所への取材、写真素材集めなど初めてのことにわたわたしながらも、何とか創刊号を仕上げることができました。

地元出身の生徒たちの顔が見える誌面づくりを心がけました。
創刊日は、「しましま」をドレスコードに記念写真!

「しましま」のいま

創刊から5年が経ち、今日第14号を発行しました。
スタッフの異動や産休育休が続きマンパワーが足りない時期もありましたが、何とか年に2、3号の頻度で発行を続けてきました。これまでにインタビューにご協力いただいた方はのべ156人(!)に昇ります。最近は創刊時に取材した高校生が今度は卒業生として登場してくれたり、登場時に小学生だった生徒が今は高校生でしましま編集部に入ってくれるなどの嬉しい出来事があったりして、つみ重ねてきた時間をしみじみと感じます。

これまでに発行した「しましま」たち


創刊当初は、配布先も学校現場や教育委員会などにとどまっていましたが、今は地域の回覧板にも入れていただけるようになり、図書館や診療所、バス停、港など島前の様々な場所で手にとって見てもらえるように島前三町村のあちこちに設置しています。島前地域にお住まいの方に、身近な誌面と思っていただけてるといいなと願っています。

知夫村の内航船待合所にも。

最近嬉しかったのは、私の通勤場所でもある隠岐國学習センターの廊下で、通りかかった生徒が何気なく、「ああ、しましま読みたいな〜」と呟いていたこと。生徒にも楽しんで読んでもらえる誌面になっていたのか!と驚きとともに感動して思わず振り向いてしまいました。


私たちがしましま発刊を続けてこられたのは、創刊時から応援いただいた方をはじめ、取材を快く引き受けてくれる各学校の先生や生徒、地域の方々あってこそです。いつも本当にありがとうございます。
編集部にはなかなか読み手の方の声が届きにくいのですが、ごくたまに、「しましま」読んでるよ、楽しみにしてるよ、と地域で声をかけていただけると涙が出そうになる程嬉しく、よろこびを噛み締めているのはこの私と編集チーム一同です。

これからも、この島で輝く色とりどりの個性たちをしましま誌面にてお届けしていきます。このままのペースで発行できれば、12年後の隠岐島前高校創立80周年には50号を発行している予定です。さて、その未来にはどんな誌面になっているのでしょう。考えるだけでワクワクします。どうか、今も未来もお楽しみに!

最新号含むバックナンバーは、こちらからもご覧いただけます。
ぜひ見てみてくださいね。


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