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地域共創科を知る vol1.ホンモノの学びのために生徒を子ども扱いしない新学科

note編集部の浅井です。今日は新しいマガジンのご紹介です。マガジン『普通科改革「地域共創科」の現場レポート』では、令和5年度から本格スタートした隠岐島前高校の新学科「地域共創科」の話題をお届けします。初回は新学科のコンセプトや新学科設置の背景にある思いについて書きます。

「地域共創科」とは?

2021年から始まった
文科省による「普通科改革」の一環として
全国から採択された2校が
普通科改革事業にトライすることになりました。
そのうちの1校が隠岐島前高校の「地域共創科」。
2022年に設置の準備をし、
2023年から本格稼働しています。

●設置の背景などについて詳しくはこちらの記事にも紹介があります

既存の授業の単位数を少し削り、
毎週木曜日は「地域共創DAY」。
一日通してマイプロジェクトに取り組める日です。

地域の食材を使ったジェノベーゼソースを
地域の人たちに食べてもらう生徒

生徒は自分のプロジェクトを進めるために
朝から夕方までまるっと、
自由に使うことができます。
事業所に働きに出る人、新しい事業を考える人、
町内へ出て調査する人、
オンラインで島外の専門家にヒアリングする人、
内航船に乗って隣の島へ活動しに行く人など
さまざま。
一つだけ共通しているのは
「地域と一緒に何かを創る」ために
高校生側から動きを作っていくということです。


きれいな星空をテーマに活動する生徒は
島の魅力をよく知る料理屋の大将に相談

新学科の背景にある思い

「地域共創科」のコンセプトは
地域と共に、大人と共に、
仲間と共に、意志ある未来を創る。

年間カリキュラムの「目標」の欄には
こう書かれています。
「一人ひとりの意志を起点に、
 多様な仲間や人材とグローカルに地域を
 共創(地域の課題解決・価値創造 等)し、
 地域に進化・変化が起きる」

1期生である今の2年生は、1年生の3学期に学科選択をしてテーマ設定を行いました

地域共創科の生徒と先生が大切にしていることは2つあります。
①学びのための地域活動ではなく地域のための活動がホンモノの学びとなる
②生徒を子ども扱いしない

これまでにも
学びのための地域活動はたくさんありました。
しかし、地域共創科が創っていきたい学びはその逆。
地域のための活動がホンモノの学びになるという考え方です。

プロジェクト起点は、
興味ある!これ好き!やってみたい!など、
一人ひとりの意志であることが大事。
ただし「共創」であればこそ、
プロジェクトを進める中で自分のニーズの中に
相手のニーズを探るプロセスが必ず生まれてきます。
そこがホンモノの学びになる重要なポイント。

毎週木曜、商店に通って働かせてもらうことで
地域のニーズを探ろうとする生徒も

そして、先生方にとっても地域共創科は
葛藤の連続です。
なぜなら「生徒を子ども扱いしない」
覚悟を決めて送り出さなければ
この学科の学びは成立しないからです。
従来、学校の授業というのは時間割で区切られ、
先生が主導して学校の中で行われるもの。
地域共創科では、木曜日はまるっと一日、
生徒自身でコントロールする。
生徒の安全を守れるか?
ちゃんと学ぼうとしているか?
学びが止まってしまっていないか?
椅子に座って授業を受けていた生徒が
目の前からいなくなるわけですから、大人側としては
さまざまな観点で不安になって当然です。
大人が準備したもので生徒を導いていくのではなく、
大人にとっても生徒は、
新学科を共に創っていく共創相手であること。

そこに、地域共創科の大きな価値があります。

●先生やコーディネーターの考えがわかる記事はこちらにも。

●高校Webサイトでも「地域共創科」に関する情報を随時更新しています。

地域共創科マガジンでは今後、
生徒自身の発信もまじえて活動を紹介していく予定です。
お楽しみに!


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