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ありのままでいられる場をつくる:隠岐島前高校 ハウスマスターの仕事

隠岐島前高校の生徒の約6割、100人近くの生徒たちは、島外から隠岐島前高校に進学する「島留学」をしています。島外からやってきた生徒たちが暮らすのが、高校の敷地内にある寮「三燈(さんとう)」と「鏡浦寮(けいほりょう)」です。

男女に分かれて生活する寮は、どちらも自治寮として、寮生たち自身がルールを決め運営を行っています。全国各地から集まった寮生たちの生活スタイルや、これまで経験してきたことはバラバラです。ルールを決め、話し合い、ときには対立もしながら、食事や洗濯、掃除や学習などの暮らしをひとつ屋根の下でともにしています。


主な仕事内容

島のなかでさまざまなことに取り組んでいる寮生たちにとって、活動を後押しする場であり、ほっと一息つける家でもある寮。その寮での生活をサポートする役割を担うのがハウスマスターです。

とはいえ、具体的な仕事はあまり決めておらず、そのときにいる寮生たちとの関係性のなかでやることが生まれていきます。ここでは、現在のハウスマスターの仕事の一部をご紹介します。

寮生との関わり
寮はどちらも寮生たちが自ら運営する自治寮になっていて、毎年、寮生のなかから寮長と副寮長が選出されます。彼らの相談相手として、困っていることに向き合いながら、寮をよりよい場にするためにはどうしたらいいかを一緒に考えていきます。

また寮の運営に限らず、それぞれの寮生が取り組んでいるプロジェクトについて話を聞いたり、学校や暮らしのなかで悩んでいることを打ち明けてもらうことも。そのとき大切にしたいのは、大人としてアドバイスをするというよりも、どうしたらいいか、なぜそう思うのかを尋ねながら、寮生たちの学ぶ機会をつくっていくことです。そのためにも、まずは素直に話ができる、信頼し合える関係をつくることが、ハウスマスターの最初の仕事になるかもしれません。

地域との関わり
高校での授業や岐國学習センターの夢ゼミなどのプログラムを通して、寮生たちは隠岐島前地域をフィールドにさまざまな活動を行っていきます。活動のための送迎に行ったり、まだ自分の関心事を探っている寮生を誘って地域のイベントに参加してみたり、農家さんのお手伝いに行ってみたり。地域の方と生徒をつなぐ役割を担うことも少なくありません。

寮生たちがこの地域の魅力を知り、のびのびと活動していくことができるよう、まずは自分自身が地域の方と知り合い、関係を深めていくことも必要です。

島親さんとの関わり
島留学生には1人に1組、島前三町村で暮らす「島親」という存在がいます。休日に畑の手伝いをさせてもらったり一緒に料理をつくるなど、学校に通っているだけでは経験できない地域ならではの体験をする機会をつくってくださったり、寮生にとって頼れる家族として関わってくださる方もいます。

島親さんと寮生をマッチングしたり、交流の場をつくっていくことも、ハウスマスターが率先して担当しています。

寮の管理
寮生たち自身が運営している寮ではありますが、点呼に立ち会ったり、大人が交代で寝泊まりしながら、寮生たちの安全を守っています。(ハウスマスターの舎監担当は週2〜4日程度)また、家電が壊れたときの修理対応をするなど、管理人としてトラブルへの対応を行うのもハウスマスターです。

ときには安全性などを考慮して、寮生たちに対して寮のルールを変える提案をせざるを得ないことも。町の大人と寮生のあいだにいる人として、決まり事を押し付けるのではなく、お互いにとって健全な方法を模索していく過程を大切にしています。

寮生にとって、寮は自分たちの手でルールをつくりながら、日々生活をしている場所です。これまで過ごしてきた寮生の想い、未来にここで過ごす寮生を見据えながら、今いる寮生とともに文化をつくっていくためのマネジメントを行うことも、とても大切な役割になってきます。


一緒に働くスタッフ

ハウスマスターとして働く田中に、インターンと寮生がインタビューしたインスタライブ「ハウスマスタートーク」を開催しました。
着任して半年、日々考えながら自分の役割に向き合う田中の話、ぜひご覧ください。


ともに働く仲間、募集中

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