卒業生インタビュー(萩本雪季さん)
隠岐島前高校の卒業生の萩本雪季さんにインタビューをしました(インタビューは萩本さんの教育実習中に行いました)。担当は、コーディネーターインターンの渡邉葉奈です。
島前に帰ってきてどうですか?
大学生活は少し窮屈に感じているのもあって、ここは心が落ち着きます。大学では人間関係が比較的あっさりしているから、会話も軽い内容ばかりで。でも島前高校では、不思議と深い会話ができるんです。生徒も先生もコーディネーターも、たとえ初めてあった人だとしても、「対話」ができる。仲良くなれる、深い会話です。実習期間は毎日楽しく生活しています。
自分は自分だ、ということを出せるようになった
島前高校入学時の自分は、消極的で静かだったんです。今からは想像できませんが(笑)3年を経て、人の目を気にせずにひとりで行動したり、積極的にいろんなことができるようになりました。変われた大きな理由は、島前高校に自分を表現できる雰囲気があったことです。偏見があまりなかったし、あったとしても出さない。話を聞いて、知ろうとしてくれる。だから自分も、自ら伝えたいと思うようになる。そういうコミュニケーションがあったから、自己開示ができました。
やってみないと分からない。やってみたからできたこと。これって島前で得た力。
就活をはじめたとき、ひとつ大きな壁がありました。それはスーツでした。メンズスーツを着ていきたいけど受け入れてもらえるのか、自己PRにLGBTQであることを書くのか。たくさん悩んだ末に、メンズスーツを着て面接に行きました。そして、”LGBTQであることは自分の強みである”と言えたんです。その時の面接官の反応は想像よりも普通で、”自分にはとても勇気のいることだったけど、実はまわりの人はあんまり気にしていないのかも”、と気付きました。
それは、踏み込んだから気付けたこと。やってみないと分からない、やってみたからできたこと。これって島前で得た力だなと思います。踏み込めるのは、島前高校での自分があるからです。
教えることの楽しさに気付いた
高校時代はレスリング部でした。恩師である龍馬先生を始め、たくさんの大人に支えてもらい、今もレスリングを続けています。また、大学では身体のことや運動のことを学びつつ、ジムでバイトをしています。トレーニングを教えたり、それぞれの目標に向けて頑張る人に伴走したり。その楽しさに気付きました。教育という仕事も良いなと思います。
島前高校生へメッセージ
島前で過ごす意味というのは、今はまだ分からないと思う。卒業して振り返ってみると、楽しいことも嫌なことも大変なことも、全部ひっくるめて本当に素敵だった。島前高校での3年間がまるっと自分の魅力になる、そんな感覚。だから今は全力で3年間を楽しんで欲しい!この限られた時間を存分に満喫してほしい。