島前地域らしい公教育と仕組みをつくる:島前教育魅力化コーディネーター(小学校・中学校)の仕事
高校の魅力化からはじまったプロジェクトは、現在、小中学校の魅力化にも活動の幅を広げています。
それぞれの学校によって、今取り組みたいことや目指すものは少しずつ異なります。2023年時点では海士町の福井小学校と海士小学校、海士中学校、そして知夫村の知夫小中学校それぞれにコーディネーターが籍を置き、各町村の教育委員会や学校の先生、地域の方々と連携をとりながら、ともに活動しています。
この島で子どもを育てたい、ここで暮らしていきたいと思う人が増えることは、地域が持続可能になっていくことにつながります。
魅力的な小中学校とはどのような場所なのか。島で育つ子どもたちにとってどのような教育があるといいのか。島前だからこそできる公教育とはどのようなものなのか。プロジェクトのメンバーや周りにいる人たちと共に模索しながら、活動を続けています。
主な仕事内容
魅力化コーディネーターを配置する高校は全国的にも徐々に増えつつあり、その存在や役割は少しずつ認知されています。
一方で小中学校については、求められる役割や任される業務が学校や立場によってさまざまです。各コーディネーターは、その学校で必要な役割を開拓しながら日々活動しています。
●探究的な学び(主に総合的な学習の時間)の伴走
探究的な学習において、子どもたちは五感を使いながら学びを重ねていきます。
たとえば小学3・4年生が取り組んだ「環境問題」を題材にした学習では、海底清掃を行っている方の話を聞いたり、実際に船に乗り海岸に出かけて行って活動を手伝ったりと、学校の外で島らしいものや場所に触れてさまざまな体験をしてきました。(その体験活動の詳細はこちら)
たとえば中学校の探究学習では、農業の担い手不足に危機感を感じた中学1年生が、島の農業や郷土料理にディープに触れられる体験ツアーを、観光協会と協働して企画する取り組みを行ったりもしました。(その時のイベントの詳細はこちら)
コーディネーターは先生のサポート役として、さまざまな地域資源を生かした授業を設計します。先生や地域の人々と協働しながら「島前らしい、この町らしい探究学習」を考える仕事です。
●学校と地域の関係づくり
子どもたちが地域に浸って学ぶためにも、教員の人材不足や部活動の地域との協働など学校の中だけでは解決できない課題に向き合っていくためにも、地域の方々との協働は欠かせません。地域と学校が協働するための「コミュニティスクール」と企画運営するメンバーとして動くことや、町や村の教育ビジョンに地域の声を盛り込んでいくために対話の場を創ることなども、コーディネーターの役割です。(例として海士町の「コミュニティスクール」の様子がわかる記事はこちら)
__________
まずはコーディネーター自らが地域に入って関係性をつくっていくことで、島前の子どもたちが育つ場所を地域の方々と一緒につくっていくことができます。
コーディネーター間でも連携を取りながら、日々さまざまな仕事に取り組んでいます。ときには「これも自分の仕事だろうか?」と思うような頼まれごとをすることも。まだまだ役割を開拓している段階だからこそ、はじめて起きることもおもしろがって進んでいけるような人に合う仕事だと思います。
●町村ごとに少しずつ異なる役割があります
一言で小中学校のコーディネーターと言っても、町村ごとに役割は異なります。どの町村でも重視されるのは大きく2つ、ふるさとを生かした学習の充実と、地域とのつながりづくりです。
それに加えてたとえば西ノ島町では、小中学生対象の公営塾はコーディネーターの担当領域となるため、その場づくりやスタッフのマネジメントなども仕事の大部分を占めます。
また知夫村では、放課後学習での基礎学力向上や、学校におけるキャリア学習の充実なども役割として挙げられています。
海士町は、小中学校が一つにまとまっている西ノ島や知夫里島とは異なり3つに分かれているため、小中学校の学びのつながりや学校間での連携なども意識しながら働くことも多いです。
3町村すべての教育の魅力や課題、役割について、詳しくは面接や選考における来島の際にご説明できればと考えています。
離島という辺境の地から公教育をアップデートしていく仕事に興味をお持ちいただけたのなら、下記の募集要項からエントリーしてください。
ともに働く仲間、募集中
現在、小中学校コーディネーターとして2024年春から一緒に働く人を探しています。募集の詳細は採用ページよりご覧いただけます。
各種職種の募集要項はこちらです。