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インタビュー#1 島の小中学生の日常をワクワクにしたい(小中チーム)

「隠岐國学習センター」は、隠岐島前高校と連携しながら生徒の進路実現をサポートする公立の塾です。定期テストや大学受験に向けた教科学習のサポートだけでなく、島前地域を舞台に多様な人々とともに学び、実践する夢ゼミや、生徒主体のプロジェクトなど、生徒の「〜したい」を応援し、伴走しています。
隠岐國学習センターでは、2025年春から活動を開始する「大人の島留学生」のエントリーを開始しました。隠岐國学習センターがどんな場所で、どんな仕事をしているのかをより具体的にイメージできるよう、現役の大人の島留学生たちにインタビューしました。

インタビュー第一弾は、隠岐國学習センター・小中チームメンバー(竹内、鈴木、村松、星川)に集まってもらいました。発足から約半年。取り組んできたあれやこれやを振り返りながら、目指す先がどこにあるのかを改めて確認する。そんな時間になりました。

明るく楽しい小中チームメンバーたち

日常的な学びの場をつくる

竹内:隠岐國学習センター(以下学習センター)では、以前から夏休みや冬休みなどを活用して、小中学生向けの取り組みは実施していました。今年度からは、通年で小中学生との関わりをつくるために、新たに「小中チーム」を発足して、スタッフ1名、大人の島留学生2名。大人の島体験生1名の4名で島前地域の小中学生の学びの場をつくっています。

初年度の柱は大きく2つで、1つ目は「島前三町村の中学生に日常的な学びの場を提供すること」2つ目は「島内の小中学生が固定化された人間関係から飛び出して自分らしさを解放できる場づくり」です。

日常的な学びの場は、教育委員会や学校と連携しながら一人ひとりの学力に合わせた教科学習の支援をしています。生徒の人数がそこまで多くないので、一人ひとりの様子や意欲をスタッフ間はもちろん、学校の先生や教育委員会のスタッフとも共有しながら進めていけるのは強みだと感じています。やり方や教材は三町村それぞれで少しずつ違うのですが、西ノ島町の教育委員会がやっている学習塾では西ノ島中学校の全校生徒の半分くらいの25人が通塾してくれていて、夏休みに聞いたアンケートで、ほとんどの生徒が塾に来るのが「楽しい」と回答してくれていたのは嬉しかったですね。中学生たちが楽しいと思いながら学習できる場所の提供ができていることに手ごたえを感じています。

わくわく、楽しく、前向きに

鈴木:2つめの「自分らしさを解放できる場づくり」では、うぇるかむDayという島内の中学生へ向けたイベントを島前高生と一緒に2~3か月単位で企画・実施しています。中学生が日常でわくわくできる、楽しく進んでいける、前向きに進路が選べるようになるためのきっかけ作りにしたい。まずは関心を持ってもらうための楽しいイベントを入口にして、その後に自分を知るとか、自分を表現してみるワークをしたりしています。

もともとうぇるかむDayは、ユニークな教育に取り組む中学校を卒業した島前高生たちに「一緒にやろうよ!」と声をかけるところから始まったのですが、最初の企画は自分たちのやりたいことばかりで組み立ててしまって。当時の中学校のコーディネーターさんに企画の相談に行った時に「中学生が「みんなのやりたい」の実験台になっていないか?」「まずは中学生をよく知ることが必要だと思う」というフィードバックをいただきました。自分たちのやりたいことだけではいけない。高校生と話し合いを重ねたり、中学生との接点を作っていく中で、あらためて参加者目線に立って、中学生が「楽しそう」「行ってみようかな」と思ってくれるような企画になるように作り直しました。

いまでは、うぇるかむDayにリピート参加してくれる中学生も出てきて、彼らがもともと接点のなかった高校生を「先輩」と呼んで慕っている様子を見ると、家から一歩出たところに新しい出会いや居場所を見つけてくれた!と嬉しくなります。

学習センターのイベントがきっかけで広がる出会いがあります

オンライン越境の可能性を広げる

竹内:もうひとつの「自分らしさを解放できる場づくり」としては、全国の中学生を対象とした「オンライン中学生夢ゼミ」という取り組みも実施しています。いま三期目の開催中で、9月には対面での開催も予定しています。

島前三町村に限らず、全国の中学生を対象にしていて、今期は全国各地から20名が参加しています。いつもの日常からちょっと距離を置いて、改めて自分を見つめる、やりたいことを言語化してみる、自宅にいながら安心して留学(越境)できるオンラインコミュニティを作っています。

鈴木:いままで中学生夢ゼミに参加をした生徒たちが、夢ゼミで「やりたいことをやっていいんだ」「自分で選んでいいんだ」と気づいて、前向きに進路選択をしている実績も出てきています。

竹内:中学生夢ゼミでは、同じ日本に住んでいる中学生でも実は「自分と一緒じゃないこと」がすごくたくさんあって、いま置かれている環境がすべてじゃないと感じられる瞬間が何度もある。

中学生や高校生と接していると、どこに住んでいたとしても、狭い世界の中だとそこに適応できなかったり、居場所を見出せなかったりする辛さやもどかしさがあるのではと感じています。中学生夢ゼミで全国の中学生と交流しながら、まだまだ自分の知らない世界があるんだ、こんな中学生もいるんだということがわかると、世界が広がって生きやすさがぐっと変わると思う。スタッフは中学生からどんな反応が返ってきたとしてもそれを認めて面白がれるメンバーなので、安心しながら自分の世界を広げていってもらいたいですね。

安心できる、認めてもらえる関係性作り

村松:知夫村の放課後学習では、週1回50分の個別のプリント学習を行っています。知夫村の中学生は9人しかおらず、そのうち4人が参加してくれています。人数が少ない利点を生かした指導ができていて、1人に時間をかけることで、その子の成長を見ることができ、仕事の中のやりがいの一つにもなっています。

大人の島留学生は延長しない限り、1年間でインターンを終えます。そういった限られた期間の中で、子どもたちのことを思うと「様々なことを教えたい」という思いが出てきますが、時には子どもたちが自分たちで考え、行動することを見守らなければいけないと思っています。自分のスタンスとしては、教える、というよりは見守ることが多いです。「見られてるな」なのか「見てくれているな」なのか感じ方は生徒によって違うのかもしれませんが、それでも自分がしっかりと取り組んでいる様子を自分が見ていることで、生徒たちは気にかけてもらっているとは感じると思っています。

鈴木:気にかけてもらっているという安心感があるから、その上でやる気に火をつけられるし、ちょっとした声がけが生徒たちの変化につながっていくのかなと。時間をかけて、しつこく関係性を作っていくことが大切だと感じています。

村松:関係性作りは大事ですよね。認めてくれる存在や面白がってくれる存在、ともに学んでくれる存在が子どもたちに原動力を与えられると思っています。自分もそんな存在になりたいですね。

予測できない未来を子どもたちと面白がろう

竹内:小中チームでは、未来にワクワクしながら人生を過ごしていけるような機会や場を提供していて、これからもそれを面白がって楽しくできるメンバーと進めていきたいと考えています。最後にいまのチームメンバーから「こんな人と働きたい」を教えてもらえますか?

星川:小中学生とのやりとりを面白がれる人がいいと思います。予測できないような反応が飛び出したり、とらわれてない考えが出てきたり、大人になる中で「うまくまとめないと」とか「落としどころをつけないと」という気持ちが強くなってしまうけれど、それがまだない小中学生のアイデアは自分にとっても学びがたくさんあります。

鈴木:子どもたちの成長や可能性を信じられる人、偶発性を面白がれる人。予定調和じゃなくて、そこでいま起きていることや発せられた言葉を面白いと思えるのが大切だと思う。あとは、実現したい世界、こうなったら素敵だよね!という見たい風景からやることを導き出そうとする人、かな。目的と手段を明確に、目的のための手段であることを常に意識して主体的に動こうとする人が、ここでいい時間を過ごせるんじゃないかなと思います。

村松:子どもたちのアウトプットしたものを大切にできる人。子どもたちが「やりたい」って言ったことはもちろんだけど、例えば「勉強したくない」と言った時に、その真意はどこにあるのか?をくみとってほしい。表情とか貧乏ゆすりとか、言葉以外にも生徒たちはメッセージを出しているので。そのためにも、自分の思い込みで決めつけずに、子どもたちに寄り添った観察をするように心がけています。
あとは、ひとりだけで進めるのではなくてチームで協力して動ける人がいいと思う。チームで協力することで、様々な方向から子どもたちを観察したり、企画を見つめなおすことができるから。

チーム一丸となりピザ生地を作ることも(夏休みの小学生向け企画の準備です)

私たちのチームに入りませんか?

2025年春から学習センターの小中チームメンバーに参画してくれる人を募集しています。募集の詳細は採用ページよりご覧いただけます。

▼募集要項はこちら

なお、今回の募集は「大人の島留学」という、報酬のある制度を利用しての採用となります。エントリーに際しては大人の島留学に関するページも併せてご確認ください。